ユウナギログ

人生に迷子な社会人4年目の雑記ブログ!筆者はメーカーで働く26歳文系男子。仕事のあれこれやライフハック、趣味の音楽や旅、読書などについて雑多にまとめます。

【書評】キンコン西野著「革命のファンファーレ」はネット時代の広告を鋭く分析した良書だった

 

こんにちは。

最近は忙しくてあまり本を読む時間が取れないのだけど、久々に面白い本に出会えたので紹介したいと思います。

 

 

キングコング西野氏のイメージは「炎上芸人」?

キングコングの西野氏と言えば、お笑い芸人で有名というよりも「またネット記事になってたな…」というイメージが強い人の方が多いかと思います。

 

テレビ収録中にディレクターから失礼な質問を受けたことに憤慨してそのまま帰ってしまったり、とあるベンチャー企業の社外取締役に就任した直後に、監査役から無礼なツイートをされて即辞任したりと話題には事欠きません。

 

そしてその最たる事件が、彼の作成した絵本『えんとつ街のプぺル』を関係者に無断でインターネット上で無料公開したことでしょう。出版社にも、所属事務所にも一切断りを入れることなく起こした行動ということらしく、驚くばかりです。

 

彼のこの行動にはネット上で賛否両論が巻き起こりました。

「労働に対して対価を求めるのは当然だ!」「クリエイターを馬鹿にしている!」

こんな意見が多数寄せられましたが、実は彼には彼なりの緻密な戦略と考えがあっての行動だったのです。

 

「革命のファンファーレは鳴った」

そんな『えんとつ街のプペル』ですが無料公開を始めてから売上は飛躍的に上昇。「無料公開なんてしたらお金を出して購入する人がいなくなる!業界が疲弊する!」という批判を尻目に、絵本業界では異例の31万部を記録

 

彼の常識に囚われないマーケティング戦略は大成功したのです。

 

なぜ彼は異例の無料公開に踏み切ったのか、その背後にはどんな戦略が隠されていたのか。本書は鋭いビジネス感覚を持った西野氏が「インターネット全盛の時代に広告・宣伝はどうあるべきか、商品をどうマーケティングしていくべきか」について切り込んだビジネス書となっています。

 

広告業やクリエイターの方だけではなく「モノを作って、売る」というあらゆるビジネスに携わるビジネスマンは一度は読んでおくべき良書です。

 

Amazonの紹介文では下記のように紹介されています。

クラウドファンディングで国内歴代最高となる総額1億円を個人で調達し、絵本『えんとつ町のプペル』を作り、30万部突破のメガヒットへと導いた天才クリエイターが語る、"現代のお金の作り方と使い方"と最強の広告戦略、そして、これからの時代の働き方。 

 

印象に残った部分と感想 

以下、自分が面白いと思った個所を中心に書いていきたいと思います。

 

変化に適応できない人間に未来はない

動物であろうと、植物であろうと、いつの世でも種として優秀なのは、「年下」でこれは抗いようのない自然界のルールだ。若者世代への批判は、そのほとんどが「進化への乗り遅れに過ぎない」

スマートフォンが登場し、仮想通貨が登場し、誰もがスマートフォン1台で日常生活の大半を処理できるこの時代。カメラや電卓というモノを作っているだけの製造業や、沢山の人員や支店を抱えた金融機関は淘汰されていく存在となりつつあります。

 

そんな中で「業界の慣習や常識」に縛られた既存のやり方を続けているだけでは衰退の道を辿るだけかもしれません。これまでは紙媒体での流通と書店でのマーケティングに限られていた絵本業界を再定義し、新たな手法にチャレンジした西野氏の戦略は参考にすべきところがあります。

 

やりたいことを掛け持つこと

職業そのものが無くなっていく時代に突入し、副業、兼業、転職が常識になりつつある。上の世代は、職業をたくさん掛け持つと「結局何がやりたいんだ!1つに決めろ!」と咎めてくるけれど、どっこい、やりたいことを掛け持つことや、やりたいことに迷うことは、これからの時代を生き抜く術だ。

(中略)

肩書を複数個掛け持ち、収入源を複数個確保できていたから、そういった作品を作る権利を手にすることができたわけだ。

 西野氏はスマホの登場以降、沢山の職業がなくなってきたことを例示しながら、一つの仕事だけを貫く必要はないと説明しています。実際、公務員の副業がOKになっている自治体が増えているというニュースも先日見ましたが、兼業化・副業化の流れはますます進んでいくことでしょう。

 

また西野氏自身が好き勝手に行動したり、周囲の目を気にせずに発言できたりするのは、彼が複数の収入源を持っているからに他なりません。芸能界で干されてしまったとしても、彼は絵本作家であり、オンラインサロンの主催者であり、クリエイターであり、幾らでも食い繋ぐことができます。これがテレビでの出演料のみを食い扶持にしている芸能人なら、言いたいことも言えなくなってしまうでしょう。

 

他人の時間を有効活用する

ニュースを出すな。ニュースになれ。自分の時間を使うな。他人の時間を使え。 「ニュースになる」ということは「他人の時間を使えている」ということだ。「他人の時間を使えている」ということは、ニュースになっている時間が延びているということだ。

企業などがプレスリリースを出しても、今一つ広告としてピンと来ないケースがよくあります。かつてはそれで良かったのかもしれませんが、ネットやSNSが全盛の時代での戦略は「ニュースを出す」のではなく、「いかにニュースになるか」が重要です。インスタやFacebookでのシェアを狙ったり、口コミになるようなマーケティングを仕掛け、広告塔の数を増やしていくことがバズに繋がっていきます。

 

マネタイズのタイミングを後ろにずらす

当然、独演会の美術や音楽や、その他もろもろを見て、「これは本来2000円では経験できない」ということを、4500人全員が分かっている。あの値段設定では主催者側が負担を背負っていることを見透かしているのだ。それでいい。独演会の赤字分くらい、絵本が売れればいくらでも返せる。ここは目先の収益にとらわれず、4500人に感謝されることを選んだ方が得策だ。

ビジネスにおいて価格設定は最も重要なファクターの1つと言って良いでしょう。モノそのものを売り切って、そのタイミングで課金するのではなく、その先を見た価格設定をするという西野氏の戦略には納得させられました。

 

絵本を本という「モノ」と捉えてビジネスをするのではなく、「ビジネスモデル」として解釈し、マネタイズしていく。おそらくこれは今までの絵本業界にはなかった発想でしょう。このような独創的な発想ができるところに西野氏の才能があるのだと思いました。 

 

まとめ

この時代を生きたいのなら、自分の人生を生きたいのなら、決定権を持て。今、この瞬間にだ。周りが何と言おうと、世間が何と言おうと、昨日までの常識が何と言おうと構わない。キミの人生の決定を、他人や環境に委ねるな。キミの人生はキミが決定しろ。常識に屈するな。屈しないだけの裏付けを持て。それは行動力だ。それは情報量だ。

 

Amazonでは★5の評価を付けて絶賛している人と、★1の評価で酷評している人の2種類に分かれますが、僕は文句なしで良書だと思いました。読んでおいて損はない1冊です。ビジネスにおいて「モノを作って、モノを売る」仕事をしている方はぜひご一読を。

 

 

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